• 夢見る頃を過ぎなくても」 羽衣1011第1回プロデュース公演
  • ウッディシアター中目黒 1/17(土)18:00- 
  • 作:池田政之 演出:郷田ほづみ 
  • 出演
  • 押上晴香:山像かおり 
  • 吹雪景子:渡辺美佐
  • 佐竹(声):飯田征利
  • 堺(声):呑山仁奈子
  • CMの声:ひ・み・つ  (楽1/18 14:00-)


開演30分前に開場すると、100人分ほどの椅子と舞台にはラジオ局のブースのセット。
「ON AIR」のライトが点いているのは、どこからか小さくラジオ番組が流れていることを意味しているのでしょう。
よく聞くと、CMには山像さんや美佐さんの声も聞こえてきます。
やがて120人くらい入ったでしょうか、ぎっしり満員になりました。そして暗。
始まると、キャップを被ってパーカーにワークパンツというラフな格好で、15年続く長寿番組の
人気パーソナリティー役の山像さんが颯爽と登場。時おりディレクター役の声を相手に一人で芝居を進めます。
美佐さんは赤のドレスで少しツンとした表情なのは、
かつての大人気女優もその人気が陰りを見せてきたが本人は頑としてそれを認めない、といったところ。
ストーリーはパーソナリティーとゲスト、ともに人気が崖っぷちの二人が顔を合わせると、トンでもない事に。
どうもこの二人なにやら因縁があるようです。
リスナーのお葉書紹介というありふれた進行から、突然美佐さんがリスナーに発した「泥棒ネコ!」の一言から
雰囲気が一変して、もう若くはない二人の女の過去を観客は目の当たりにすることになります。
お互いに誰よりも一番憎くて一番気にかけている一番近い存在。
十数年たって初めて明らかになった真実。二人は和解したのでしょうか?
ラストはたぶん、二人ともこれまでと変わらないのでしょう。二人とも大人ですから。
とたんに過去を帳消しにして変われるわけではないのでしょう。
でも、ラストのお二人の芝居には、互いに相手へのある種の敬意も感じられました。
とても面白かったです。
ニール・ヤングスリードッグナイトといった70年代の人気ミュージシャンの曲に乗せて、
タイトルは吉田秋生の70-80年代の人気コミックのもじり。
十分に笑わせてもらって最後は臭みのないサラリとした感動。
お二人の息がぴったりと合ってた。とくに、美佐さんの芝居が素晴らしかったです。
以前もリンクしたTVグルーヴのロングインタビューで美佐さんのいう「ねじくれた役」はさすがでした。
声はもちろん、目線の芝居、表情、そしてあの謎のダンス!(笑 素晴らしすぎです。

山像さんもクライマックスの告白は本当に良かったです。ただ、長寿番組のパーソナリティーにしては、
ラジオ番組としてみるとあまり面白くなかった。崖っぷちという設定にしても、もう少しコナレタ感じが欲しかったかな。
これは山像さんの芝居の問題ではないかもしれないけど。
1時間20分くらいだったでしょうか、とても楽しかった。ぜひ第2回も希望します。
ところで、渡辺美佐さんといえば、羽衣のチェーンメッセージにも登場した沙苗ちゃんとは、
アンネ・フランク」で母娘で共演していますね。ということで、