☆「琥珀の詩、ひとひら


アルバムとして全曲通して、いい感じに出来上がっていると思います。
甘さを溶かし込んだお茶に1枚の薔薇の花びらを浮かべ、昼下がりに明るい庭で静かに一人飲みながら聞いたら
きっと幸せになれる。
幅広い楽曲に挑戦していて聞き所は多いと思います。
写真は「コハクノウタ*祈り*」「心の扉」のページの、にまっとしてる写真が愛嬌があって一番好き。


1.コハクノウタ*目覚め*
CDを取り出した裏の今にも開きそうな薔薇のつぼみのような。


2.Spring fever
今度のツアータイトルにもなってる曲。物語(ライブ)のはじまりにかかるのかな?
「わたしのこと好きじゃないの?」ここで、「大好きに決まってるじゃない!」という2000人を超える心の声が音にならずに
木霊するんでしょうね、きっと。


3.Ever-Never-Land
カウントダウンで歌ったけど、こういう曲でしたっけ?
にゃんにゃんポーズは覚えてるんだけど、ていうか一緒にやったけど、曲は良く覚えてなかった。
CDで聞くとけっこう大人しめな曲に聞こえます。ライブではわりと弾けていたような。


4.Fallin' into you
ほのかにラテンの香りのする曲。
途中の転調とか歌うに難しくないですか。さすが、しっかり曲の世界を表現していると思います。
マイクを持ってないほうの手でフリが入りそう。そうなら、そこはフリコピしようかな。楽しそう。


5.夢見月のアリス
夏のライブの光景がまざまざと思い出されます、朗読と併せて。完成度の高い曲ですよね。


6.AMBER〜人魚の涙〜
インドの香り。タイトルだけから想像していたよりずっと劇的な曲。
ライブでぜったい聞きたい一曲。真白なサリーとベールのような衣装で歌ってくれたら嬉しい。
照明を深い青から琥珀色、最後は薔薇色とかに変えたら、きっと綺麗だと思う。
ナレーション部分は聞き取りにくいけど、「どんなに高い靴を履いても届かないその心」なんて女の子を感じさせる
フレーズがあっていいですね。
このアルバムの作詞はほとんど女性なんですね、中に性別を知らない人もいるけど。
私が好きになったゆかりんの魅力は、その表現力です。役でも歌でもトークでも、ゆかりんから感じるのは多彩な顔を持つ
女の子そのもの。ゆかりんの曲には女性の作詞家があってる気がします。


7.fantasia
やや平凡にも感じられるけど、アルバムの真ん中で一息にはちょうどいい構成かな。


8.薔薇のロマンセ月のセレーネ
Sweet Darlin'に続くラテン系の曲。
情熱的な詞だけどタイトルに表われているように、Sweet Darlin'より虚構性が強まって、肉感的には聞こえません。
それでいいんだろうけど、熱い吐息が聞こえるくらいの情熱も感じたかった。


9.惑星のランデブー
ライブの最後とかに掛かったらむちゃくちゃに盛り上がりそう。
詞は「今日も地球はまわる 同じように」っていうところが、うんうんそうだよね、って感じ。


10.最果ての森
このアルバムの中で私の心の中に一番切り込んできてくれた曲。
こういう曲を聞くとゆかりんのシンガーとしての資質は決して低くないと感じられます。
小道具っぽい言葉が少ないいい詞だと思います。こういう詞だと「蝶のように」という一言がすごく生きる。
素晴らしい曲が生まれたと思います。きっといつまでもときどきは聞き続ける曲。


11.コハクノウタ*祈り*
いいですねコーラス。4分くらいの曲でもいいくらい。


12.心の扉
等身大の一人の女の子の気持ちとして身近に感じられる曲。
私はあまーい詞の世界よりはこういうほうが好きです。
何気ない曲だけどいい曲だと思います。これからはこの方向からも名曲が出てきそうな予感。


13.Little Wish〜first step〜
リリカルもファーストもいい。
リリカルよりもより女の子っぽいですね。どちらかといえばファーストの方が好きかな。


14.Picnic
ライブではCDよりも何倍も楽しくなりそうな曲。



とても「物語性」の強いアルバムですね。
歌詞にウエハースとかみつばちとか、星屑、薔薇、月、メレンゲ、虹の隠れ家、お茶をどうぞとかとか、
ある種同じ色合いのする言葉が曲をまたいで散りばめられています。
アルバムについていろいろな雑誌などにインタビューが出ているのをまだ読んでないんですが、
実際にアルバムを聞いてから唯一読んだメロプリ会報のインタビューでは、
ゆかりん自身から「ライブを意識したアルバム」「田村ゆかりという共同体」という言葉が出ています。
一本通ったコンセプトはない、と言いながらも、あえて言うならこの「共同体」という言葉が裏キーワードとして
強く感じられます。
楽曲に加えてブックレットの写真、デザインも含めて、求められているものの最大公約数を汲み取ろうとしているように
思います。
最近のメロプリの「王国化」もそうですが、ファンを田村ゆかりという一つの共同体として発展させていこうという方向性が
このアルバムからも感じられます。
別に悪いとは思いません。それも一つのあり方だろうし。
ただ、あまり最大公約数を汲もうとして、ゆかりんその人が見えにくくなるおそれが出てこないか、気を揉んだりもします。
自分の望むゆかりんが見たいと思うと同時に、等身大のゆかりんその人も見たいという、矛盾した贅沢な思いも
抱いています。
そんなことが、このアルバムを聞きながら頭をよぎりました。
もちろん、等身大のゆかりんがどういうものなのかは、私にはわかりにくいですが。
それから、私の好みとしては、「君へ」のような世界も広げていってほしいなあと。
今のところ「君へ」に続く曲は出てきてないですよね。