□「ガラスの仮面」#11「春の嵐


今回の見所は劇団一角獣の舞台シーン。
ストーリーを主役の川島得愛さんの説明的なセリフに頼っていて、前回の劇団オンディーヌの「たけくらべ」の
舞台シーンのほうが見応えがあった。
でもじっくり見せてくれたのは良かった。劇冒頭の影も印象的。照明も上手く使っている。ただ、審査員の「迫力がある」というセリフは余計。
これだけ時間を割いて舞台シーンを描くなら、あくまでも舞台の見せ方でそう思わせて欲しい。勝負して欲しいなあ。
「けけけ、恵子さん」
マヤ、またニワトリみたい。前回の表彰式のセリフも可笑しかったけど、これも笑っちゃう。
劇団一角獣の紅一点恵子に声をあててた恒松あゆみさん、いいなあ。
ときどき名前を見かけていたけど、これまでは「でんじゃらすじーさん」の男の子くらいしか役と結びついてなかったけど、
こういう人にもっと機会を与えてあげてほしい。
オンディーヌの舞台シーンはさらっと処理されていたけど、前回じっくり描かれていたし、こんなもんだと思う。
こういう時には会場の客や審査員の感想・表情を使うのもいい。


月影先生の心根は優しい。マヤを慰めるところや普段の何気ないセリフには、月影先生の優しい人柄がにじみ出ている。
衣装がめちゃめちゃになっているシーンでの月影先生には弱さ脆さも感じられる。
そのあたり、藤田淑子さんの声で表現されきっていて素晴らしい。本質的に優しいからこそ、芝居となると見せる狂気が生きる。
桜小路くん、さわやかに告白。真っ赤になるマヤがかわいい。
一方、速水の優しさはマヤに拒絶される。桜小路くんとの対比から、雨に濡れる速水の惨めな気持ちをもっと描いても良かった。