☆「新暗行御史 初日舞台挨拶」シネ・リーブル池袋 1回目上映後12:30-


上映が12:30に終わって場内が明るくなると直に司会者が舞台上に上がり、ゲストを呼びました。
呼ばれたのは沙苗ちゃん、藤原啓治さん、志村錠児監督、原作者の伊仁完さんの順。
左脇入り口から入ると下手から舞台へ。
舞台上では、下手(向かって左)から司会者、伊(ユン)さん、沙苗ちゃん、藤原さん、志村監督と並びました。
一人ずつ紹介されながらの挨拶は沙苗ちゃんから。
沙苗ちゃん「こんにちは、えーと、・・・皆様こんにちは(笑。小林沙苗です」
ちょっと緊張していたようです。今日は白の丸首のTシャツに白のカーディガン、アクセントで銀のペンダント、
そして後ろにスリットの入った膝丈くらいの黒のスカートでした。珍しい。足元はブーツだったみたい。
沙苗ちゃんがマイクを持っているときに一社だけ入ってた取材者がフラッシュを光らせてました。
どこかで写真が見れるかもしれません。
他の方の挨拶は、ジャケットからズボンまで黒で固めたファッションの藤原さんが「本日は誠に…」と硬めの挨拶。
志村監督は「ドキドキしてます」と物静かな印象。
原作のユンさんは「こんにちは、ユンと申します」と日本語で話した後「カムサハムニダ」。
これ以降はユンさんには通訳がつきました。


司会「この作品で苦労した点は?」
沙苗ちゃん「皆様ご覧になっておわかりだと思いますが、私の役はあまりしゃべってないので特に苦労したことは
ないんですが(笑 私の父親が韓国を愛している男で、この役が決まった時にとても喜んでくれました」
たしかに、沙苗ちゃんの山道(サンド)/春香(チュンヒャン)はセリフが少なかったですね。キャラクターとして
見せ場は多かったので、一言一言がとても印象的でしたが。
藤原さん「えーと、何でしたっけ?(司会:苦労したところは?)あ(笑 (左右を見回して)皆な緊張してるんですよ。
初の韓日合作ということでプレッシャーがかかりました。仕事中は日本人ばかりでそうでもなかったんですが、
日本、韓国とこう地図が浮かんできて」
と、手振りで日韓の位置を描きながらのコメント。ざっくばらんな人柄が伝わってくるようです。
志村監督「実際調べていくと親近感が湧いてきました。参加できて良かったです」
ユンさん「私は原作なので特に苦労したことはなかったです。アニメになって、自分の絵が動くのがとても嬉しかった。
音楽や音が入って見ているだけで感動しました」
志村監督「原作はとても面白くて、作画も非常に上手い。原作の雰囲気にどれだけ近づけるか、と考えました」


ここで司会者から一足早く封切られた韓国ではアニメ作品でありながら観客動員は9位に入ったと紹介されると、
ユンさん「今までアニメ自体、プロモーションしてなかった。この作品では、ソウル市内のすべてのバスに広告されたり、
有名デパートに巨大な広告をうったりしてました」
バスの外観に広告が張られたんでしょうか。
ユンさん「私もバスは知らなかったので、車を運転中に初めてバスを見たときはびっくりして、ハンドルを切り誤りそうに
なりました(笑」
志村監督は韓国の封切りセレモニーに参加されたそうで、
志村監督「マスコミの取材が凄かったです。原作が韓国の古典だから受け止め方が深かったです」
藤原さん「行きたかったなあ。どうしても仕事が重なって。沙苗ちゃんも仕事が重なってたんだよね」
沙苗ちゃん「行きたかった〜」
藤原さん「行きたいなあ。もう、行ったら何を食べようかくらいの勢いで」
沙苗ちゃん「それは、プライベートで行けば…(笑」
藤原さん「それが旅費の問題も出てくるんで。(左右を見て)行きたいでしょ、ね?ね?」
このあたりは、藤原さんのサービス精神が発揮されて、それにヒカ碁や外画など付き合いの長い沙苗ちゃんが乗ったという感じ。


このアニメにはテーマソングのBoAや、日本語版OPナレのユンソナさん、タイトルコールのイ・ジフンさんなど
韓国のアーチストも参加していますが、EDナレのチソンさんからビデオメッセージ。
「・・・(最後は日本語で)面白いので、愛してください」
そして、もう最後の挨拶です。
沙苗ちゃん「私は見てインパクトの強い映像だなと感じました。何度も何度も見てください。
(ちょっと宣伝ぽくなったと思ったのか、藤原さんに)露骨過ぎました?(笑」
藤原さん「自分がやってきた作品の中でも代表作になったと思います」
志村監督「ちょっとでもいいと思うところがありましたら嬉しいです。それだけです」
藤原さんは宣伝も上手に、志村監督は控えめな方でした。
ユンさん「午前から大勢お越しいただいて有難うございます。アニメに負けないように原作もがんばります。
ぜひ、アニメの次回作も実現してほしい」


びっしり満席の客席から大きな拍手に送られて、退場はまた下手から左脇の出口へ。
原作のユンさんは、サンデーGX誌のアニメ化レポートによると、沙苗ちゃんのファンになったようですが、
礼儀正しい雰囲気の方でした。
正味20分もなかったと思いますが、楽しいイベントでした。沙苗ちゃんのファッションも貴重だったし。
アニメに関しては、映像は劇場版だけに綺麗で、バトルシーンは大スクリーンを生かした左右上下に動きが激しかったです。
描かれているのは、主人公文秀(ムンス)とチュンヒャンの出会いと、流行り病の島を救った医者ユイテのエピソード。
戦いのシーンはかなり刺激的で私はふと「ベルセルク」を思い出しながら見てました。
私は原作も知らないので韓国の歴史物かなと思ってたらファンタジーだったんですね。
底流にはある種の倫理観が流れていたように思います。
文秀が示した、起こった現実のあるべき受け止め方は、儒教的とも感じられました。
ラストシーンの人の姿のない町と静謐な室内の様子にも、人としての規範が描かれているように見えました。
あるいは、原作からすべて日本人の手で作られていたら倫理観は置いておいて、もっとエンターテインメントに徹した作品に
なっていたんではないでしょうか。
そこが私には新鮮でした。同時にある意味での限界もあるのかもしれないですが。


(追記)CINEMA TOPICS ONLINEにレポートが出てますね。よく撮れてます。仕事速いですね。