☆千秋楽。


無事終了したようですね。
今日はザムザの客席は靴を脱ぐんですが、脱いだ靴を入れるビニール袋を配ってましたね。案内の声の良く通ること。
初日と違って役者陣も最初の場から出るメインの猫役の三人を除いて総出で開演前に挨拶がありました。
初日と比べると客席に年配の方は少なくて若い人が多かった。客席が暖まるまで少し時間がかかったかも。
永田さんの最初の登場シーン、白猫の百合子が「天璋院様の」あたりまでは反応が硬かったようです。


芝居の内容は、多少セリフが加わっていました。
“猫”の飼い主である中学教師の教え子が資産家の娘にいたずらで出したラブレターの文面、君の瞳にfall in love、
みたいなふざけた文章を永田さんの演じる女学生がそらんじてましたが、初日には当の中学生のセリフじゃなかったかな。
登場人物たちが壊れたり、踊ったり、転げまわったりする場面はより激しくなっていたような印象。
弾けるところは弾けて面白くなっていた反面、初日ほどの緊張感はなかったのか、セリフが出てこない人もいました。
そこは相手で出ていた実業家役の川守田さんや永田さんがフォローして、かえって笑いをとってましたが。


永田さんは百合子役では京都弁の意識せざる小悪魔的な猫、その飼い主の三味線のお師匠さんは一人で生きている
芯の強い女性を東京の下町言葉で、女学生の幸子では当時の今風の一人前に振舞う背伸びした女の子を
綺麗に演じ分けていて上手だなと贔屓目無しに感じました。
声優というよりはもともと舞台をやってきた役者さんだなとあらためて思わされます。
あと、たぶん資産家の金山家の下女の声だけをやってたんじゃないかと思います。
他の方では23日の感想に加えると、ブチ猫役の佐野敬子さんが初日よりさらに良く見えました。
まだ恋も知らないほどの子猫なんでしょうが、とても可愛く無邪気に演じていましたね。
あとやっぱり笠兼三さんは良かった。こちらで公演までのスケジュールがそこはかとなくわかります。
中学教師の悪友役ではお祖父さんの笠智衆さんを髣髴させるような飄々とした演技を見せて、
教え子役では堅苦しい仕草で笑いをとる。間が良くて、ご当人は酒好きなのか下戸なのか良くわかりませんが、
酔った演技は一番面白かったです。


お芝居については、最後に猫のミミ役の増本さんが「のん気そうに見える人も心の底を叩くと悲しい音がする」と
歌いながらいうセリフがありましたが、その「悲しい音がする」というところにもう少し時間を割いてくれたら
もっと良かったんじゃないかな、と感じてしまいました。
もっとも2時間が、えっもう、と短く感じられるくらい面白いお芝居でしたが。


永田さんの次の舞台は今回も共演している仲間の女優さんたちと9月くらいにやりたいね、と言っているそうです。