ランドリーウォッシュ


☆ネコネズミ企画第2回公演「ランドリーウォッシュ」神楽坂die pratze
9/18(日)18:00-



楽をようやく見に行けました。しかし開演時間を勘違いしていて
最初の30分くらい見逃しました。それでよくわからないところもあった。
神楽坂die pratzeのHPには

都内にある女性ばかりの小さな下宿屋そこに住む3人の住人と若い大家さんのお話。
・・・と思いきや、舞台は一転謎の島へ。

と。パンフにはランドリーウォッシュは造語で、洗濯→選択という意味だそうです。
20年前の同級生、直子と史子を中心に話が進みます。史子が訪れた下宿の女性たち、
一方、直子がたどり着いた民宿に集う女性たち。
そして20年前の女子高生たち。頻繁な暗転をはさんで舞台は三つの時空を行き来する。
20年前の青春の原点、それから20年たった今、彼女らは何を選択して、何を捨てたのか。


出演
女子高の元同級生・直子:佐野敬子
女子高の元同級生・史子:太田幸絵
史子の妹、TV番組の司会:永田亮子
下宿の大家、民宿の母:広瀬香
下宿人の漫画家、民宿の絵描き:増本美穂
下宿人の研究者、民宿の妹:今田みどり
下宿人の律子、民宿の姉:高橋和
パンフでは7人のバストショットが載ってますが、左の人差し指を
口元に持っていっておどける永田さんが愛嬌あります。髪は短め。
(役名はパンフに載ってたままじゃなく、見てない人でもわかりやすそうな
表記にしました。また、3役やってる人たちもいます)


さらりと軽くて面白かったです。
BBSのレスにあった「ダンス」は冒頭に全員で踊ってたそうですね。
見れなくてすごく残念。
20年前、何も怖くなかった彼女らも今はにっちもさっちもいかない
壁にぶち当たって立ち往生しています。
それぞれに深刻だったり漠然としていたりする悩みを抱えていますが、
それでも下宿と民宿の女性たちに出会って、一つ吹っ切れるところで
物語は終わります。
吉田秋生の名作「櫻の園」の後日譚のようでもあります。
見終わって、2月の木野花さん演出の舞台の時(* *)と違って、どこか心が軽く
なったような気分。
秋風のような、さらりと爽やかで後味の良い芝居でした。
舞台に幕はなく、暗転で終幕にして次の瞬間7人が横に並んで
「ありがとうございました!」と一言だけの挨拶。
また暗転後すぐに客電が付きました。


私の受けた印象では、一番存在感があったのは佐野さん。
同級生二人で組んだフォークソングデュオで歌った吉田拓郎の「落陽」の
ヤケクソなコミカルな歌いっぷりは、大爆笑だった。
一番美人で高校の制服も違和感なかったのが太田さん。
どこか惹きつけられるものを持っていたのが広瀬さん。
ちょっと園崎未恵さんに面影の似ているような気もする。まあ、私のタイプってことかも。
一番声にメリハリがあったのが増本さん。
一番ユニークだったのが背の小さい今田さん。
一番パワフルだったのが高橋さんかな。
そして永田さんは、一番自然な演技だった。そして、一瞬たりとも隙を見せず
役に成りきっていた。
ふらふらしている姉に切れたり受け入れたりしながら、一家で一番のしっかり者の
妹を好演していたと思います。
出番も少ないかと思いきや2月の舞台より多いくらいだった。
母親がガンで入院しても携帯にすら出ない姉に一度は切れるものの、
母親の手術が上手くいって姉と和解して穏やかに受け入れ、
快気祝いのお返しでしょうか、ともに贈り物を荷造りする場面は
ふと永田さんの周りだけ映画のワンシーンのようにも見えた。
TV番組の司会者の役では舞台栄えのする芝居でさかんに爆笑をとっていたけど、
この荷造りの場面では小津とかの昔の日本映画をスクリーンで見ているような
感覚に襲われました。一度、自主制作でも映画で永田さんを見てみたい。
きっと光るものを見せてくれるような気がする。
終演後、永田さんがアンケートを回収していて少しだけご挨拶。
富士山麓での合宿では皆なで朝までかかって台本が出来なくて、
「朝だねえ…」「…空が綺麗だよ」なんてこともあったとか。
少しおどけた調子の永田さんの話に、この芝居を見終わって
何だか心が軽くなった気のしていた私は声を上げて笑っちゃってました。
永田さん自ら手作りと言ってたけど、舞台美術も主に布を使って
いかにも出来るだけ倹約した風。
自主制作でいろいろ制約があったんでしょうけど、もろもろを超えて
いい舞台だった。
第3回公演を希望します。
観客はたぶん50人以上80人未満くらい。
ちなみに2月の舞台では文化庁からお金が出ていたため日本劇団協議会の文書に
データが出てます。平成16年度の事業報告書によると
6回公演で総入場者数は513名でした。