ガラスの仮面



マヤの母親が死ぬ回を録り忘れてから見てなかった分を、
駆け足でざっと見た感想。#18から#26までもいずれ書きたいとは。




□#28「女優失格」愛されるマヤ



役をすっぽかして転落するマヤ。
マヤを立ち直らせようとする速水の心中を見抜く水城マネ(佐久間レイさん)。
水城マネの本心がよくわからない。
職務に忠実でマヤを育てようとし速水のために動いているのか、それとも…
水城は速水をどう思っているんだろう?
マヤが陥れられたと知って敵を討とうとする亜弓。亜弓もまたマヤを愛している
ようにも見える。
マヤは孤独なようで、周りのすべての人間から愛されるという少女マンガの王道主人公。
マヤの顔が幼く描けていて絵が綺麗だった。乙部のりえ役の伊藤静さんが上手。





□#29「カーミラの肖像」亜弓と速水の生



カーミラの舞台は照明の使い方が良かった。
薔薇を手にするカーミラ(亜弓)の横顔が本当に寂しそうだった。
亜弓の父親はさすがに亜弓の心をわかっている。
マヤをライバルに得て亜弓が成長の階段を上っている。
一方の速水は、女優としてのマヤに惹かれていたのがいつのまにか、
マヤを愛していたことに気づく。小さな頃から敷かれたレールの上を
歩んできた速水は、マヤを愛することで自分自身の生を生き始めたといえるんだろう。
亜弓も速水も生きる上でマヤが不可欠の存在になっている。
どん底まで堕ちたマヤは亜弓と舞台で対峙することで、情熱を取り戻す。
#1から人物を丁寧に描いてきた分、それぞれの心の動きが自然。
カーミラの舞台の少女マリア役の佐藤利奈さんがネギとは別のかわいい声だった。
速水家当主は家弓家正さんか、重厚。





□#30「100万の虹」明日への架け橋



泥饅頭を食べるシーンはなかったけど、泥饅頭に怯まなかったことで月影先生
マヤを谷底に突き落とした荒療治に応えたマヤ。
自分の力で這い上がろうと川原で子供たちにパントマイムを見せるシーンで
久々にかかる明るいBGM。この曲好きです。
ビアンカの一人芝居では、沙苗ちゃんはナレで塔矢アキラ声、美少女剣士の声も楽しかった。
1月に出る「マスケティア・ルージュ」ドラマCDでの少女版ダルタニャンも楽しみ。
原作読んだら、けっこう面白かった。
紅天女を自分から目指し出したマヤは、川原→体育倉庫と小さな舞台からの再出発。
「私の命を受け継いでおくれ」(月影先生藤田淑子さん)
月影先生もマヤを見出したことで、残り少ない自分の生を後へ託そうとしている。
月影先生と速水は紅天女復活へ、はからずして共闘しているように見える。
主要登場人物がそれぞれにマヤと出合ったことで本当の生を生きだしている。
歩き出したマヤに周りの人々と舞台を見る人たちが皆なマヤに虹色の手を差し伸べている、
と同時にマヤの中に明日への希望の虹を見ている。
図書委員の草木広子役の門脇舞さんは声自体がめがねっ子。





□#31「一人芝居」3人の一人芝居



ビアンカ」の照明と「通り雨」の一人芝居の効果音を作った高校生は立派。
このシナリオはすべてが主人公ひろみの誤解で、「父と別れてください」
と言ったところで女性から真実を聞かされて、「お父さんの心に降った通り雨」
ではなく「私の心に降った通り雨」としたほうが面白かったような気も…
そして舞台を終えたマヤは小雪のちらつく街角で速水に出会う。
振り向いた速水の顔が優しい。
傘を差し出すマヤにちょっと戸惑ってから微笑む速水。嬉しいだろうなあ。
それでも、走り出すマヤとの間に赤信号が。
「赤信号だな。いつまでたっても渡れない」(速水:森川智之さん)
雪といえば桜小路くん。久々の登場も脇には麻生舞。マヤ、桜小路くんのこと
忘れていたに違いない(笑
高校の演劇発表会にも現れる紫のバラの人。
速水の影、聖と出会うマヤ。聖(声:佐々木望さん)は今にも「むぎちゃん」
フルハウスキス)と言い出しそうな雰囲気。
「いつか紫のバラの人を大劇場に招待するのが夢」だというマヤ。
大都の速水は憎まれ役、紫のバラの人は陰から無償で励まし続ける。
速水の一人芝居はいつまで続くのだろう?
速水に連れられて亜弓の一人芝居を見に行くマヤ。
ジュリエットを演じる亜弓の表情が清楚で気品に溢れている。
夜の稽古場に月影先生を訪ねて速水とマヤ、亜弓が揃う。やはり月影先生
速水は同じ未来を見ている。





□#32「真夏の夜の夢」目覚めたときに…



亜弓の自身の恵まれた環境に対するコンプレックスが語られる回。
両親とは関係ない自分の実力を認めさせたいとの一心で努力してきた亜弓。
演劇が実力だけの世界かどうかは知らないけれど。
亜弓の幼女時代の矢島晶子さんはさすが。少年も少女も小学生くらいまでの
矢島さんの声は一際破壊力がある。
真夏の夜の夢」で妖精パックを演じることになるマヤ。
リズミカルな動きで魅せることを学ぶ。そこへ動きで見せる劇団一角獣を
再登場させるのは、ごもっとも。いつのまにか季節も半袖が心地いい夏至の頃らしい。
「韃靼人の矢よりも速く」(マヤ:小林沙苗
パックの呼吸を掴んだ後の同じセリフの言い回しの違いが楽しかった。
冒頭で月影先生は亜弓を紅天女役に指名する。ただしマヤにも2年という期限付きで
チャンスを与える。これまでの中学生から高校生にかけてのマヤのステップアップ
から考えると、2年は決して短い期間ではないだろう。
真夏の夜の夢」のように、はたして2年後に月影先生の目の前にいるのはマヤなのか、
亜弓なのか。そして、マヤの目の前には速水がいるのかいないのか。
マヤが紫のバラの人へと聖に託した卒業証書とアルバムは、マヤは過去を振り返らない
ということでもあるのか。





□#33「野外劇場の奇跡」速水にとっての奇跡



速水の後押しで野外劇場で成功したら近くの立派な劇場で公演を打てることになる。
アニメ中ではっきり井の頭公園といってましたね。
速水はマヤと井の頭公園の池でボートに乗る。
マヤの紫のバラの人への深い心を知って、問わず語りに本心を吐露しそうになる速水。
「日差しがこんなに眩しいなんて」(速水)
速水にとってマヤは初めて知った眩しい陽の光。
真夏の夜の夢」の舞台シーンはパックを中心に描かれ、マヤ役の沙苗ちゃんの声の
弾けた雰囲気が面白かった。動きも楽しかった。絵と声が噛み合って良かった。
ただ野外らしい効果音も入るともっと良かったかも。
マヤを亜弓の元へ走らせる速水。その速水の心を知る水城マネ。
影の聖、表の水城、家に帰れば愛してくれるばあや。
速水さん、貴方も実は周囲の人に恵まれている。
そして、マヤとは密かに互いの心がはっきり結びついた。
野外公演を通して速水だけが知っている奇跡。





□#34「マヤの挑戦」マヤは別格なのはわかるけど



亜弓の相手役のオーディションに挑戦するマヤ。
オーディションの「毒」のパントマイムシーンはちょっと見えない背景を描き過ぎた
ような気もする。でもアニメではこうしたほうが面白いんだろうか。
「毒」一人目の草加みどり役で石塚さよりさんが出ていた。4人のライバルの中でも
際立っていたと思う。
でも大きな舞台の主役オーディションにしてはライバルが物足りなかった。
もう少しだけライバルをらしく描いたほうが、もっともらしいのに。
この原作はともするとマヤと亜弓を強調するためにオーディションの相手を
ヘタレに描き過ぎて、やや興ざめするところがある。
「挑戦」というほどの挑戦に見えない。